ご依頼の経緯
W様は、親から相続した戸建て住宅を空き家のまま所有することになりました。家の中には長年使われていない家具や雑貨、仏壇などがそのまま残っており、「残置物をどうすればいいのか」「価値があるのかないのか判断できない」と悩んでいました。さらに、空き家を維持するためには固定資産税や管理費用がかかり、利用予定もないままお金だけが出ていく状況に不安を感じていました。
インターネットで調べてみても、「不動産会社に直接相談すべきなのか」「まずは相続登記を済ませる必要があるのか」が分からず、誰にどの順番で相談するのが正しいのか判断できませんでした。自分だけで対応するのは難しいと感じるようになり、相続や登記に詳しい専門家に相談しようと考えるようになりました。
担当者のコメント
相続した不動産の処分については、登記、残置物の整理、売却手続きと複数の課題が複雑に絡み合います。そのため「どこから着手すべきか分からない」と迷われる方が少なくありません。今回のモデル事例を踏まえ、司法書士としては以下のような流れでご提案を整理しました。
STEP1 相続関係と登記の確認
最初に取り組むべきは「相続登記」です。相続登記が完了していなければ、売却や処分を行うことはできません。そこで、戸籍謄本の収集を通じて相続人を確定し、相続関係説明図を作成することで、権利関係を明確にします。こうした準備を整えることで、後の不動産会社や買主との交渉もスムーズに進められます。
STEP2 残置物処分の段取り
家の中には、価値の分からない動産や仏壇などの処分に困るものが多く残されていました。この段階で遺品整理会社を紹介し、見積もりを取得する流れを提案しました。遺品整理会社に依頼することで、リサイクルや供養など適切な方法で整理が可能になります。残置物の処理を専門業者に任せることで、ご自身の精神的・肉体的な負担が軽減され、売却準備が整います。
STEP3 不動産会社との連携
相続登記の目途が立ち、残置物処分の計画も見えてきた段階で、不動産会社をご紹介しました。複数社から査定を受け、売却方法(仲介か買取か)を比較検討することで、相場感を持ちながら納得のいく選択ができます。司法書士としては、売却に支障が出ないよう登記関係の調整を行い、不動産会社と連携して手続きを進めていきます。
STEP4 売却と所有権移転登記
買主が決まり次第、売買契約と同時に所有権移転登記の手続きを行います。この段階で司法書士が関与することで、権利関係の不備や登記漏れといったトラブルを防ぎ、安心して取引を完了することができます。特に相続に関わる不動産取引は専門的な知識が必要となるため、司法書士のサポートによって「抜け漏れのない手続き」が可能となります。
提案のまとめ
このように、相続登記を起点として「残置物処分 → 不動産査定・売却 → 所有権移転登記」という流れを整理し、関係する専門業者を適切に紹介することで、W様の「誰に相談すればよいのか分からない」という不安を解消し、全体像が見える形で進めることができます。